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マネジャーに求められるもの

2020.06.25

終日パソコンに向かって仕事をしていると、どうしても途中で頭がぼーっとしてくる時間があります。そのようなときは、体を動かしたり、部屋を掃除したりしますが、先日、とても古い資料を発見しました。私がマネジャーに登用されたとき、当時の社長からいただいた一枚の紙です。

色あせて黄色くなっていましたが、書いてある内容は、今読み返してもけして色褪せておらず、自己を振り返り、反省するきっかけとなりました。また、よし改善していこう!という意欲も出てきました。

全部は掲載できませんが、一部を掲載したいと思います。

 

1.自分がなすべきことを自らの責任において自律的に決定し実行すること

これが一番目に書いてあります。

手書きのメモには、会社のビジョン、戦略をブレイクダウンすること、達成すべき目標を自ら立案、と書かれていました。言われたままを実行するのではなく、自ら考え、自ら行動していくことがマネジャーの第一義である、という意味のメッセージです。

 

2.周囲の信頼と協力を得て、自己の意思を実現すること

会社を通じて何を実現したいのか、そのような意思を持つことがマネジャーに求められるという意味だと思います。仕事の目標を達成すること以上に、何を実現したいのか、社会や世の中に何を解決していきたいのか、視界が広がった言葉でした。

 

3.知識不足、論理性欠如、発想の貧困、情熱不足、時間管理拙劣の五悪を克服すること

耳が痛いです。永遠の課題であり、これからも克服するべく努力していきたい項目です。特に、ここ数年、発想の貧困、情熱不足、時間管理拙劣の三悪のまま過ごしてきたと反省しました。

 

4.問題意識を常に持ち、いつでもどこでも自分に宿題を出し、頭を全回転させること

特に後半、“自分に宿題を出し、頭を全回転させること”というキーフレーズが、迫ってくる言葉です。自分に宿題を出すとは、自己を信じ自らが成長してくきっかけを自分で作っていくという強いメッセージです。ややもすれば、できない理由を並べてしまっていましたが、今からでも遅くないと思います。

 

5.愚痴や批判を建設的な意見や提案に変えること

この言葉を、社長はよくマネジャーに言っていたなぁと思いだします。

組織や会社が完璧な状態などありえません。必ず課題があるものですが、それを愚痴ったり、批判したりして、改善しようと行動しないこと、建設的な意見を発信しないことが悪である。建設的批判とは、課題があることを批判するだけではなく、解決策、改善策も一緒に提示して、場合によっては自らがアクションしてくことだという意味です。

 

6.泥臭い努力を怠らず、当たり前を大切にすること

トヨタ自動車さんには、“愚直”という言葉があり、よい意味で使ってらっしゃいますが、それと同じようなニュアンスの言葉です。ルーティン業務は何も考えずに、ただ決められたことを盲目的に遂行するのではなく、基本に忠実に、努力して、日々の当たり前の仕事を遂行する。そうすることで自然と業務の改善が行われ高いレベルで業務遂行できるようになります。

売れる営業担当者とそうでない営業担当者の違いは、実はここに差がつきます。好業績の営業担当者はいつもイノベイティブな行動をしているわけではなく、大部分は営業としてやるべき当たり前のことと実行しています。成績不振の営業担当者は、気が引けるから社長への電話は明日にしようとか、今日は受注したから新規アポ取りはいいや、となってしまいます。やるべきこと、やると決めたことはやる。この差ですね。

 

7.メンバーを生かし、伸ばし、燃焼させること

情熱的な言葉です。

組織を引っ張る立場になった以上、メンバーが思う存分活躍できる場や機会を作ってあげ、仕事で燃焼させることはマネジャーが意識すればできる仕事だと痛感した記憶があります。

 

8.費用対効果を考えて、経営資源を投入すること

f(投入)<成果、という手書きのメモが残されています。やみくもに経営資源を使うのではなく、ロジカルに考えて、投入し、そして成果を産みだせと、いう意味です。目的や狙う効果を見据えて、資金、時間、人、情報、労力などを必要とあらば投入せよということです。戦略的な発想につながります。

 

9.変化をチャンスととらえ、積極思考で事に当たること

さまに今、このスタンスで仕事をしていきたいと思います。辛いと後ろ向きになりがちですが、辛いときこそ、前を向いて、積極思考で乗り切っていきたいと思います。

ピンチはチャンスとおっしゃる方は、ピンチを乗り越えて来れた成功者です。当事者である私にはピンチはピンチです。毎日ハラハラドキドキ。チャンスはどこにあるのか必死に探しながら、チャンスをものにしていきたいと思います。

 

10.経営数字や業務で扱う数字、そして、マイナス情報に強くなること

経営者は飛行機のパイロットのようなものだと例えていました。コックピットもそうですが、経営もいろいろな経営数字をみながら、速度や高度、方向は間違っていないかを常に確認し、適切に判断することが大事だと教えられました。

特に、マイナス情報はメンバーから自然に上がってくる、良くない情報はすぐに自分に伝えられるようにすること。アラームがきちんと機能することの重要性は今も変わらないと思います。

 

 

私の“社長”は自分の想いを言葉にしてしっかりと示してくれました。

規模の大小を問わず、経営者は部下である管理職に、どうなってほしいかを言葉にして伝えることはとても大事なことであり、経営者にしかできない仕事だと思います。

経営陣の皆さん、自分の想い、大事にしている価値観、マネジャーへの期待を言葉にして伝えているでしょうか?

言わなくてもわかるだろうは、伝わりません。言葉にしてこそ、伝わります。